学習者がどのように組織されるかという基準において授業形態は一斉学習、小集団学
習(グループ学習)、個別学習の三つに分類される。近代公教育は一斉学習を中心に置き
発展を遂げてきた。そして今日の学校教育も同一年齢の子供たちを学級として編成し基本
的には一斉教育が行われている。しかし、この一斉教育は個人差に対応しにくいなどの欠
点を持ち、そのため授業形態の多様化が求められてきた。
ここでは一斉教育がその欠点を補うためにどのように変遷していったのかをたどり、授
業形態の多様化について述べていく。
コメニウスの『大教授学』での一斉授業の有用性の影響のもと19世紀初頭に一斉授業が
行われるようになった。例えばイギリスではベルとランカスターが考案したモニトリアル
・システムにより一斉授業が行われた。しかし、後に一斉授業における学習は個性を伸ば
すためには十分な対応ができないとの批判が生じてきた。これに対応し個性化の伸長にも
対応できる様々な学級組織の編成案が生み出された。
1920年代にアメリカのヘレン・パーカーストによってドルトン・プランという教育方法が
考案され...