「ケアマネジャーの役割と技法について、我が国の介護保険制度における役割を踏まえて述べよ」
2000(平成12)年、我が国に介護保険制度が誕生した。介護保険制度の目的は「介護を必要となった状態になっても自立した生活を送り、人生の最後まで人間としての尊厳を全うできるような、社会的支援の仕組みを確立すること」と同法に記されている。
老人福祉法の財政の破綻、医療分野を切り離して老人保健法を制定したが、これも破綻したために、新たに高齢者福祉を扱うシステムが必要となった。そこで登場したのが介護保険法である。それ以外に老人の社会的入院が非常に多く、介護分野において新たな社会保険方式が必要となったという経緯もある。
ケアマネジャーの資格をもつ人は、2004(平成16)年末現在で約30万人おり、その中で実際にケアマネジャーとして働いている人は約8万8000人いる。ケアマネジャーが働く職場として最も多いのは居宅介護支援事務所で、次に介護保険施設があげられる。2004(平成16)年の4月からは、グループホームや有料老人ホーム、ケアハウスにもケアマネジャーを置くことが義務付けられた。ケアマネジャーは、居宅...