中国の台頭と外資の離脱から見る韓国経済
中国の台頭
これまで韓国の輸出企業にとって中国は巨大な新興マーケットとして重要であったが、今後はむしろ競争相手として立ちはだかる存在となる。韓国の輸出企業の日本への資本財依存は今も改善していないため、組み立て貿易構造は続いている。問題はこの貿易モデルでは資本財(以後、貿易内容を分かりやすくするため、貿易品目を「原材料」「資本財」「消費財」に3分類して進めていく。原材料は、原油・鉱物・鉄・鉄鋼製品・化学製品といった品目を含み、"資本財や消費財を作る上で必要となる原資材"であり、資本財とは精密機器やシリコンウエハー・電子部品・製造装置・工作機器・計測機器といった品目を含み、"消費財を生産するために企業が必要な製品"である。また、消費財は家電や自動車といった品目を含み、"最終消費者に販売されていく完成製品=商品"である。)の技術進歩がいっこうに進まず、また同様の生産体制を簡単に他国で再現される点にある。すなわち中国が韓国と同水準の技術を持ち合わせれば人件費の差で強力な競合相手となりうる。そして中国と韓国の技術水準の差は縮小傾向にあるという調査結果も出て...