某旧帝大の教育学課題レポート。
表紙を合わせて8ページ。約。7700文字。
タイトル:
中国における統合政策と少数民族教育の対立
-朝鮮族にみる、少数民族の自発的な漢民族文化への同化-
概要:
中国は世界第4位の広大な国土に、漢族と55の少数民族を抱える多民族国家である。しかし少数民族とはいうものの、その人口は1億人以上に及び、量的には必ずしも「少数」ではない。それゆえに、少数民族教育だけでなく、それら少数民族の分離独立を避けるためにも、中華人民共和国という国家へと帰属させる統合政策も重要とされてきた。本稿では、この巨大国家中国の統合政策は中国少数民族教育、ひいては彼らのエスニシティに影響を及ぼしているかという問題を扱う。そして結論として、統合政策が少数民族教育を飲み込み、自発的な漢民族文化への同化が将来的に進行するであろうことを導きたい。
中国における統合政策と少数民族教育の対立
-朝鮮族にみる、少数民族の自発的な漢民族文化への同化-
Ⅰ はじめに
中国は世界第4位の広大な国土に、漢族と55の少数民族を抱える多民族国家である。しかし少数民族とはいうものの、その人口は1億人以上に及び、量的には必ずしも「少数」ではない。それゆえに、少数民族教育だけでなく、それら少数民族の分離独立を避けるためにも、中華人民共和国という国家へと帰属させる統合政策も重要とされてきた。本稿では、この巨大国家中国の統合政策は中国少数民族教育、ひいては彼らのエスニシティに影響を及ぼしているかという問題を扱う。そして結論として、統合政策が少数民族教育を飲み込み、自発的な漢民族文化への同化が将来的に進行するであろうことを導きたい。
上記の結論を導くために、まず第二節では少数民族教育がどのような目的を持ち、現在ではどのように実施されているかという概要を述べる。次に第三節において、中国少数民族の中でも特に強い民族意識を維持しているとされる朝鮮族に着目し、朝鮮族の少数民族教育の現状を通して、民族言語の軽視という朝鮮族のエスニシティを脅かす事態が起きている事を...