史的システムとしての資本主義

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    <文献要約>
    「史的システムとしての資本主義」と呼んでいる社会システムの特徴は、資本がきわめて特異な方法で用いられる(投資される)ことである。資本は自己増殖を第一の目的として使用される。そして過去の蓄積はそれがそのもの自体のいっそうの蓄積のために用いられる限りで「資本」となった。
    近代になるまで資本の循環(資本家が労働力を確保、投資→商品の生産→多数の買い手の存在、商品の売却→利潤の獲得→投資)が完結することは滅多になかった。その過程が市場を通じて取引できるものであり、それらがそうされるべきものだとは考えられていなかったために、「商品化」が不十分だった。したがって史的システムとしての資本主義は、それまで市場を経由せずに展開されていた各過程の広範な商品化を意味していた。これは、交換過程のみならず、生産過程、投資過程も含めて言えることだ。つまり資本主義の発達史には、万物の商品化へと向かう抗しがたい圧力が内包されていたのだ。
    史的システムとしての資本主義では、ひとよりすぐれた予測能力をもった者、よりすぐれた労働管理の能力を示した者、特定の市場作用に対する政治的制約(独占)をよりうまく利用した...

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