「模倣」という行動は、教育現場で効果的に活かされると思います。
人間は、自分ではない誰かを見て、その人の行動をそのままそっくりにまねる「模倣」という表像機能を持っています。例えば新生児の「舌だし」という行動は、赤ちゃんの目の前で大人が舌を出すと、赤ちゃんが舌を出すという行動です。「さるまね」という言葉があるように、もしかしたらチンパンジーなどの人間に近い動物も、まねることは可能かもしれませんが、人間の行っている模倣とは質的に異なります。それは、人間が模倣をする場合、大人の行動の意図や目標を理解して模倣を行うからです。
人間というのは赤ちゃんのときから、他者には意図というものがあるのだ、そして、意図によって行動するのだということが分かり、その意図を理解することによって、その人のやろうとしていることを自分も取り込むという形での模倣をします。ですから、これは模倣しているのだけれども、ただ単に形を似せればいいというのではなく、何かをやることの意味を理解し、その意図ならばこれをやればいいのだなという、その因果関係を意図と連動して理解し、模倣を行います。これは、人間だけが持つ能力です。
私は「模倣...