現代日本の労働状況は非常に厳しくなっており、「平成不況」という言葉も耳にする。失業問題が深刻化しており、労働状況において「四つの現実」が存在している。高まる失業率、熾烈な人べらしリストラ、職場でのサービス残業と長時間労働、そして低賃金のパートタイマーといった現実だ。
まず失業の現状についての考察をしていく。『国勢調査』によれば、1999年から2000年にかけて日本の就業者は実に116万人減少している。また、『労働力調査』によれば、リストラが本格化した1994年から2001年までに、男女とも失業者も失業率も大きく増加した。ここでは、性別による差はあまりなく、20代から30代前半といった若い世代の失業率の高さがわかる。ここから日本企業の労務による時代への適応が、若者の多くを犠牲にしながら進んでいるということがわかる。新規学卒者の進路を調査してみると、大学卒業者では、就職は5割弱にとどまる一方で、4割弱がとりあえずフリーターであった。これはフリーターが「定職」に迫りつつあることを示しているが、彼らの多くはフリーターを『仮の姿』と考えてはいる。新規学卒者が大卒でも半数前後しか正社員として採用されなくなったことには、企業のあいだで、「新規採用の削減・中止」が雇用調整の手段としてもっともよく選ばれることがかかわっている。また、悪化した雇用情勢のもとで希望する職場に就職できる人もいるが、妥協して不本意ながら就職した人のほうがはるかに多い。仕事内容や労働条件の水準にはじめから不満を感じ、不満が限界に達して離職してしまう若者も増加傾向にある。さらに、若者の就職においてはたとえ「定職」でも不安定な雇用形態が増えている。これらが若者たちの就職率を下げ、そのことがまた跳ね返って彼らの雇用の質を低くしてしまうのだ。
若者の就職率ももちろんだが、中高年層における失業問題も深刻だ。
リストラとワークシェアリング
現代日本の労働状況は非常に厳しくなっており、「平成不況」という言葉も耳にする。失業問題が深刻化しており、労働状況において「四つの現実」が存在している。高まる失業率、熾烈な人べらしリストラ、職場でのサービス残業と長時間労働、そして低賃金のパートタイマーといった現実だ。
まず失業の現状についての考察をしていく。『国勢調査』によれば、1999年から2000年にかけて日本の就業者は実に116万人減少している。また、『労働力調査』によれば、リストラが本格化した1994年から2001年までに、男女とも失業者も失業率も大きく増加した。ここでは、性別による差はあまりなく、20代から30代前半といった若い世代の失業率の高さがわかる。ここから日本企業の労務による時代への適応が、若者の多くを犠牲にしながら進んでいるということがわかる。新規学卒者の進路を調査してみると、大学卒業者では、就職は5割弱にとどまる一方で、4割弱がとりあえずフリーターであった。これはフリーターが「定職」に迫りつつあることを示しているが、彼らの多くはフリーターを『仮の姿』と考えてはいる。新規学卒者が大卒...