「L’Ennemi」(一部)
Charles Baudelaire
Ma jeunesse ne fut qu’un tenebreux orage,
Traverse ca et la par de brilliants soleils;
Le tonnerre et la pluie ont fait un tel ravage,
Qu’il reste en mon jardin bien peu de fruits vermeils.
(訳)
「仇敵」
私の青春は暗い嵐に他ならなかった
輝く太陽の光があちらこちらに差している、暗い嵐
雷と雨はあまりにも荒廃をもたらしたので
私の庭にはもんのわずかな赤い果実が残っているだけだ
授業で扱ったボードレールの「L’Ennemi」を取り上げました。この詩は音節と脚韻による技法が使われていて単語が響きあい、音、意味が浮かび上がってくる効果を出しています。
詩の内容は自分の暗い青春時代のことが書いてあり、義父と不仲で、大学を退校処分になったのちに家族と別れ、放蕩生活を送り、実父の財産を使い尽くし、自殺未遂にまで到るボードレールの実感があらわれています。「輝く太陽の光」「赤い果実が残っている」などのわずかながらに希望の光が見える記述も見受けられるが、題名からして「仇敵」であり、詩から滲み出てくる雰囲気は暗いものとなっています。そして、この続きの詩を読んでみると、最終章は次のようになっています。(*永井荷風『珊瑚集』より抜粋)
『フランス語中級期末レポート』
「L’Ennemi」(一部)
Charles Baudelaire
Ma jeunesse ne fut qu’un tenebreux orage,
Traverse ca et la par de brilliants soleils;
Le tonnerre et la pluie ont fait un tel ravage,
Qu’il reste en mon jardin bien peu de fruits vermeils.
(和訳)
「仇敵」
私の青春は暗...