火災に関する基本的知識について
1 火災の発生条件等
火災の三要素
燃焼が起こるために必要な可燃物・酸素・着火源
無炎着火
始めは炎を出さず長時間くすぶり続けた後に発炎着火するもので、
主なものとしてたばこ・線香等がある。
発炎着火
始めから炎で燃焼する場合で、炎が次から次へと可燃物に燃え広がる。
火災の進行
火災の原因、出火までの時間的経過は、発火源、可燃物の種類等により異なる。
一般的に、発炎性のマッチ・ライター等によって着火した場合は約10分前後、
無炎着火の場合は数時間以上要するといわれており、それぞれ出火までの時間
には大きな差がある。
出火時期
火災原因が発生し、発炎着火し燃え広がり、火災になるための火勢を持った状態が
出火時期である。その例として、屋内の場合には天井板に発炎着火したとき、屋外では板張りの外壁・軒裏の木部等に発炎着火した時期である。
2 火災原因
火災の原因は、失火・自然発火・放火に区別され、このいずれにも該当しないものが
不審火である。
失火
火災の原因の主なものには、石油ストーブ・電気配線・電気コタツ・タバコの吸殻
等がある。
ア 火気について
火気による火災とは、火災の以前に存在していた火が原因のものをいう。火気も
多種多様で、火気が火災原因となるのは、火がその設備範囲を越えて可燃物を焦がし、または燃え移ることである。
イ 電気関係
電気製品による火災
電気製品による火災には、ストーブ・コンロ・こたつ・アイロン等の電熱器
具によるもの。洗濯機・冷蔵庫等に使用されている電動機類によるものがある。
電熱器具の場合はサーモスタットや温度ヒューズの故障又は不良など、
電動機類の場合は軸受け部分の摩擦熱が原因となることが多い。
短絡(ショート)による火災
電線の溶解こんには、短絡(ショート)等による電気的溶解こん、火災熱に
よる溶解こんがある。電気的溶解こんは、溶解箇所が局部的で溶解部の表面
は、光沢を帯びているが、火災熱によるものは、電線が火災熱を広範囲に
受けるため、溶解範囲が広く、断面、表面は荒れた状態で光沢がないのが
特徴である。
自然発火
自然発火とは、ある物質が空気中で発火温度よりも低い温度で自然に熱を発生し、
熱が長時間蓄積されて発火する現象である。例えば、森林の木の枝が風で摩擦し、
発熱発火する場合などがある。
放火
放火は、人が故意に火災を起こす目的で火をつけることで、失火や自然発火
とは区別される。