第2課題第1設題
日本の学歴社会は今新たな局面を迎えようとしている。「大学全入時代」「格差社会」「教育格差」などのキーワードに表される現象がこれを示している。このレポートでは学歴社会の成り立ちと今日の学歴社会が抱える問題点を考察していく。
戦後の日本で学歴社会が形成され始めたのは昭和22年制定の学校教育基本法に端を発する。この法律は男女による差別を禁じるなど「国民は誰でも均しく能力に応じて教育が受けられること」を掲げ、教育の機会均等を保障した。しかしこの時代、学歴は実質的に親の経済力の影響を受けていて、学力はあるにも関わらず上級の学校への進学が経済的に困難というケースが多く見られた。そして社会が豊かになっていく中で急速に進学率が上昇し(高等学校進学率:昭和25年-40% 30年-50% 40年-70%、大学進学率:昭和40年頃までおよそ10%程度、その後増加)、学歴と企業活動など社会評価とが関連付けられ学歴に対する劣等感が生まれた。
昭和45年頃には高等学校への進学率が80%、大学が20%に達し、徐々に学校間の序列が形成されていき偏差値などの尺度で学校がランク付けされ、どの学校...