結婚と共生

閲覧数2,057
ダウンロード数11
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    タグ

    資料の原本内容

    結婚について
    現在における結婚というのは、言うまでも無く互いに愛し合っている男女が生活を共にしていく誓いを立てることである(昔は政略結婚や親が一方的に結婚相手を決めたりしたこともあったが、現在は民法によって個人の意志のみに基づく自由な婚姻が保障されている)。愛する人のそばにいつまでもいれるのだから、結婚生活とはさぞ素晴らしい物であるだろう。しかし、結婚数に関するデータを参照してみると、結婚が必ずしも永続的な物ではないということが分かる。平成14年度のデータを例にとってみると、その年に結婚したカップルの総数は全国757,331組であるが、離婚したカップルの数は289,836組という。単純に考えると、結婚した夫婦のうちの約3分の1が離婚している計算になる。しかも、離婚数は平成元年以降から増加の一途をたどっているのである。なぜ?何ゆえにこんなにも離婚の数が多いのだろうか?
    「恋は盲目」という言葉がある。前述したとおり、現在における結婚は恋愛の発展としての結婚である。しかし、もともと恋愛と結婚は別々のものであり、すばらしい恋愛が必ずしもすばらしい結婚につながるわけではないし、逆にたいして熱烈な関係でもなかった2人が、見事に充実した結婚生活を作り出すこともある。何故こんなことが起きるのかと言えば、「恋愛」というのはその関係にある2人が互いに自分の輝く部分を表現しあっていられる、または相手の良い所しか見ようとしない、まさに「盲目的な」ものであるのに対し、共棲を伴う「結婚」はお互いのすべてが隠しようもなく見えてしまう「生活」を共有しあうことで初めて成り立つものであるからである。人はしばしば、胸ときめく「恋愛という関係」がいつまでも続くかのように、「結婚という生活」を想像する。それが人々を幻滅させ、離婚という結果になってしまうのではないだろうか。
     結婚生活という「共生」を成功させるためには、様々な努力が必要である。そもそも結婚とは、当初は全く赤の他人同士であった2人がくっつくものであるから、その2人の育ってきた環境や考え方、文化、生活スタイルは異なって当然である。そのために起こるすれ違いを、どのように解決していくか。これが一つのポイントであろう。かつてはほとんどの家で女性のアイデンティティが否定され、夫の文化に吸収されることで成り立ってきたが、これからの時代これが通用しないことは明らかであろう。それぞれの文化を認め合い、受け入れあうことを基本とし、互いに結婚生活をよりよくする工夫をし続けていく事が重要なのである。
    参考文献 この人と結婚していいの?―岳陽舎 (2000/12)  石井 希尚
    結婚の科学』 木下 栄造 (著) 文藝春秋 (2002/10)
     シングルっていいかも 女ひとりで想うこと (文庫) 岸本 葉子光文社 (2006/6/6)

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。