フリーターの増加がどのような社会的背景から生じるのか。またその対応
(フリーターの社会的背景)IT化を促進するために企業は仕事をマニュアル化、平準化してきた。コストのかかる常用雇用からアルバイトなどの非常用雇用への移行を行うなど、効率化と経費の削減につなげてきた。平準化された単純労働の積み重ねだけでは職業的能力を身に付けることは難しく、定職につく機会も少ないのが現状である。
(フリーターへの対応)
フリーターの増加により2010年には所得税と住民税を合わせた税収入の損失が1712億円、厚生年金では保険料の収入の損失が6909億円にもなるという試算結果もある。経済のグローバル化に対応するために行われているIT化や人件費の削減などによる効率的経営の一方で次の世代へきちんとバトンタッチすべき社会保障や社会基盤の整備などに大きな影響を与えることになる。最近はフリーターを一つの職業として見る傾向が出てきたが、「若者アルバイト実態調査」によれば、フリーター男子の74%以上、女子は40%以上が、将来定職につくことを望んでおり、このままの職業スタイルでよいという人は男子7%女子13%になっている。そこ...