長期入院における影響と社会復帰に向けての援助
長期入院という閉鎖的な社会での生活が多くを占めている患者は、家族の高齢化より家族とも疎遠になり、社会との関係が希薄になり、生活体験、社会性が低下しているのがみられた。
本人には退院の意思があるが、医療関係者側も退院させたいという思いがあるが、家族がいない患者が、何十年もの病院生活で、果たして一人で生活していけるのかという問題が非常におおきく、退院が困難な状況になっている。
毎日、病棟でやることもなく、ラジオを音をだして聴くことが唯一の楽しみだという。日中行き場のない、ひきこもり状態である。
長期入院という閉鎖的な社会で生活していれば、意欲の低下や、活力の低下がみられるのは当然のことだなと感じた。ビデオの患者のように、慢性の長期入院患者は,家族との縁も遠くなり,行き場がいない場合が多いという。
長期入院により、日常生活能力や社会適応能力が低下していて、退院が困難なのが現状なのである。
長期入院患者の影響を考えてみると、精神症状が残存し、陽性症状や根強い陰性症状がある。それだけではなく、社会性の障害があり、これは対人接触や役割行動に欠けるもので...