『学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい。』
一般的に「カウンセリング」という言葉は、二十世紀中頃から使われるようになり、もともとは牧師などが人々の日常生活の悩みに対して相談・指導をし、自己を深く見つめさせ、本来の自己を見つけ出す手助けをすることがカウンセリングの広い意味であった。近代に入り社会構造の複雑化にともない悩みの多様化などで、経験・素質などでは対応できなくなり、一定の知識と技術が必要とされるようになった。そして今日における「カウンセリング」という概念が出来上がった。
それでは、学校で実践される生徒に対しての学校カウンセリングとはどういうものなのだろうか。学校カウンセリングとは、学校という枠の中で、不登校や、いじめ、非行などの問題行動に苦しんでいる子どもたちに係わり、援助をしていく上で、教育の枠に戻れるような心の状態を育んでいくものである。一般的に、子どものこういった問題行動は、イド(快楽を求める心)、自我(自分の行動を決定する心)、超自我(理想の姿を求める心)の三者のバランスが崩れることによって起こる。この三者の中でも、超自我が未発達な場合には反社...