民法1(総則) 第4課題
民法126条の短期5年の消滅時効につき論じなさい。
民法126条は、取り消ししうる行為は一定の期間内に取り消さないとその後は取り消しえなくなるという規定で、取消権は追認をすることができるときから5年、行為の時から20年のどちらか早く経過した方によって消滅すると規定している。この規定は、取り消し得る行為をなるべく早く確定するために、比較的短い期間を定めたのである。しかし、問題は右の期間内に法律行為を取り消せば、よって生ずる原状回復請求権や現存利益の返還請求権については、取り消しの時から普通の消滅時効の適用があるとされていることである。ただ、この5年及び20年の2つの期間は、取り消しを前提としてその効果を主張することに制限をかけたものと解するのが正当である。取消権を早く消滅させて法律関係を確定しようとする趣旨に合するからである。
取消とは、法律行為の効果発生と同時に生じている取消権に基づき、一方的意思表示によって、有効な法律行為を初めから無効ならしめる(121条)ことで、取り消しの方法は、相手方に対する意思表示(単独行為)で足り、特別の方法は要求されない(123...