「今後の社会変化への対応を考慮した家庭科の学習について」
近年の子ども達は、核家族や共働きの家庭の増加、日常生活の便利化などで、家族との積極的な関わりや、家庭の意味・役割を理解する機会が少なくなっている。また、「買い物経験が殆どない」「掃除の手伝いを殆どしたことがない」という子どもが60%余りという実態もある。さらに、少子・高齢化など急速に変化する社会において、今後は自分で考え判断し、行動する能力や生きる力が必要となってくる。そしてそれを育成するためには、これからの家庭科において、ただ知識を教え込むだけではなく、実生活との関連をもった体験的な学習や問題解決的な学習に取り組むことが重要である。
1.家庭科教育の特性
家庭科は、人間づくりに深く関わる教科である。家族や家庭生活について関心を深め、家族や身近な人々の心豊かな生活を目指して、実践する能力や態度を育てる教科であり、児童一人ひとりが自分の生き方、在り方を考える基盤となる人間教育の教科である。従来から家庭科は、実践的・体験的な学習を中心としている。何を作ろうかと考え、材料や時間、手順などを総合的に判断し、制作計画を見通しをもって...