読書ノート7

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    しがみつかない生き方 2010年3月20日 香山リカ 面接官が本当に聞きたいアピールとは、英検が何級であるとか、留学経験があるとか、どこそこにボランティアに行ったとか、武道の段位を持っているとか、日舞ができるとかいう外形的な資格や能力を誇示するのではなくて、自分がこの社会の中のどのポジションにいるのか、それをできるかぎりわかりやすく記述すること。
    自分のしていることを過剰なまでにアピールして臆することのない人が増えたのは、日本人の性格が厚かましくなったからというよりも、自由競争社会における自己防衛ということもできるのではないか。
    彼らは寛容さを失い、さらに狭い視野でしかものごとをとらえられなくなっているからこそ、自分とは少しでも違う行動をする人たちの心を想像し、理解することができなくなっているのではないか。
    目の前の相手が異物かどうか、白か黒かを瞬間的に判断しなければ、自分自身が危険にさらされたり、競争に負けたりするかもしれない、という危機感が、彼らに一見、“長い目”でものごとを見ているかのような態度を取らせているのだけなのである。
    だから、いまどきの反・瞬間主義は、決してかつて河合は...

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