「人がことばを学ぶことの実質や本質と国語科との関係」について述べなさい。その際、国語科教育の基礎論、原論に立脚したうえで領域論や指導論にもふれること。
【はじめに】
国語を学ぶと言う事は、ことばを学ぶことである。だが、国語を学ぶことの必然性は説明しにくい。ことばを学ぶことに関しては、漢字・語彙・文法などの知識や法則については組織的・体系的な修得が必要なことは想像できるが、実際のことばの使い方については生活経験的な修得で社会生活には適応できるように思われるし、また、その中で十分に量や質の向上も可能であり、つまり、国語の授業を受けなくても、不自由ない程度にことばは身に付くと思われているところがある。 すべての子どもは、自分の能力を高め、多くの知識を身に付けたいと考えている。ことばの学習でも、すらすら読みたい、きちんと話したい、上手に綴りたいという願望がある。その学習者の根源的で、人間として本質的な発達・成長の願いに応えていくこと、それが国語教育の役目である。つまり、国語教育は、子どもにことばの発達を保障し、その可能性を拓くという大事な任務・責任を担っているということが出来る。 【1】...