『近年の特殊教育の歴史的経過をふまえながら、「特別支援学校」及び「特別支援教室」のあるべき姿について論じなさい。』
わが国の障害児教育の歴史は、1879年に設立された京都府盲唖院と1880年に東京で授業を開始した楽善会訓盲院に始まる。また、義務教育については、1886年の「小学校令」によって形式・内容ともに就学義務が発足した。しかし、障害児教育については、1890年に都道府県に盲・聾学校の設置義務が課されたにもかかわらず、就学猶予・就学免除の取扱いにより就学義務は取り残されたままになっていた。しかし、次第に要望が高まり、1941年の「国民学校令」により初の養護学校が設立された。そして、第二次世界大戦後の1948年、学校教育法の改正により、盲・聾学校への就学義務が明確化された。しかし、養護学校については、各都道府県の体制が十分でなかったため、盲・聾学校に遅れて1979年に就学義務化が実施された。
このように、公教育が障害児教育を担う過程には、さまざまな弊害があった。そして、障害児教育が公教育中に位置づけられる一方で、就学免除や就学猶予の制度のもとで公教育から取り残されていた。その受け皿...