『染色体異常が原因で起こるダウン症の心理・生理・病理的特徴を挙げ、早期からの発達支援の意義について述べよ。』
ダウン症は臨床的な特徴がはっきりしているため、早期からの発見が可能とされている。また、身体及び知的な発達が全般に遅れがちで、心臓疾患やてんかん、耳鼻科、眼科的合併症を伴う場合が多い。こうしたダウン症の心理・生理・病理的特徴について述べると共に、早期からの療育や経験の蓄積により、彼らの才能や可能性を大きく広げられることについても述べていきたい。
ダウン症候群とは、染色体異常による疾患であり、染色体異常で起こる疾患のうち一番頻度の高く、典型的な特徴を示すものである。歴史的には、1866年にイギリスの眼科医J.L.DOWNが、いろいろな似通った症状が特徴的に見られるので、独立した疾患として報告したのが、症候群としてひとまとめにされたことがはじまりである。ダウン症の特徴は、臨床的に確認することが可能である。偏平な印象をあたえる頭部顔面、短い首、小さい鼻、ややつりあがった眼裂、眼の内側におおいかぶさるような鼻側の皮膚、身体全体のむくみ、短い指など、数え上げるとたくさんのチェック項目があ...