『小児慢性特定疾患の一つを取り上げ、その病態の特徴について略述し、その疾患に関する指導上の配慮点、支援のあり方についてまとめなさい。』
小児慢性特定疾患とは、治療が長期に及び、その医療費の負担も高額となる疾患のことをいう。小児慢性特定疾患は認定制度で運用されており、子どもの健全な発育を阻害しないよう疾患の研究や治療法の確立とともに、患者家族の医療費の負担軽減を図る目的がある。ここでは、いくつかある小児慢性特定疾患のうち、「喘息」についてまとめるとともに、学校現場での指導に当たる場合の配慮すべき点や支援のあり方などについてもまとめていきたい。
一般的に、「喘息」と呼ばれているものの多くは「気管支喘息」である。気管支喘息とは、ある状態に気管支が過敏に反応し、その結果気管支が収縮して息を吐くことができにくくなってしまう病気である。この状態が喘息発作で、患者は強い呼吸困難を訴え、この病気に独特なゼーゼー、ヒューヒューという音が聞かれる。しかし、適切な治療により、また、時には自然に発作が改善するのも大きな特徴である。そのため、喘息の患者は発作さえ起こさなければ全く健康な人と変わりはない。つま...