学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい
不登校が毎年増加し、いじめの問題も陰湿化、複雑化し、学校での人間関係は殺伐としていく現在、学校におけるカウンセリングでもっとも頻度が多いケースは不登校であるという。
ただ、不登校とは、文部省の定義によると、子供の心理的や社会的などの要因により、登校しないか、登校できない状態を指すが、これを治療するという目的ではカウンセリングの効果はない。神経症を治療しようとする精神分析的カウンセリングでは、個々人のストレスを緩和できても、学校問題の抜本的な解決には向かわない。心的構造のアンバランスを修復し、自己解決能力を促進する発達援助的なカウンセリングも、行動に対する生徒指導や、また進路指導などには効果を発揮するだろうが、個別にクライアントと面接を取るだけでは不登校の解決には至らない。学校でのカウンセリングの役割は、そのカウンセリングの精神である受容的、共感的態度を持ってクライアントと接する態度の波及であると考える。
大日方重利氏によれば、不登校は、一般的要因、個別的要因、触発的要因の三相に分けることができると述べているが、氏も指摘さ...