病態・症状・検査・治療についてまとめたものです。
色がついているところは先生に大切だと言われたところです。
参考文献:『ナースの内科学』奈良信雄/中外医学社(2010
★急性肝炎と慢性肝炎★
◎急性肝炎
肝炎ウイルス感染による急性の肝障害であり、A型、B型、C型、E型がみられる。その他にエプスタイン-バーウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルスなども成因となる。
<症状>
全身倦怠感、眼球・皮膚黄染、肝腫大がみられる。
<診断>
AST・ALTの著明な上昇と総ビリルビンの上昇がみられる。胆道系酵素も上昇する。障害の程度によりアルブミンの低下、プロトロンビン時間の延長も認められる。これらの変化ではC型で比較的軽微である。
<治療>
安静臥床とし、輸液によるエネルギー補給を行う。回復期には高エネルギー・高蛋白食とする。
AST・ALTが高値の場合は強力ネオミノファーゲンシーを投与する。C型急性肝炎に対してはインターフェロン投与が有効であるが保険適用になっていない。
◎劇症肝炎
重篤な肝障害で、プロトロンビン時間の延長、肝性脳症をきたす肝炎である。
原因の80~90%は肝炎ウイルス(主にHBV、次いでHAV)である。
急激な蛋白合成機能の低下(血清アルブミン低下、凝固因子の低下)、排泄能の低下(ビリルビン上昇)がみられ、肝性...