1.学習指導要領の法的拘束力の有無について論じなさい。
1.学習指導要領の歴史的変遷
学習指導要領は、各学校と各教科で実際に教えられる内容とその詳細について、学校教育法施行規則の規定を根拠に定めている。教育課程の基準となる学習指導要領は、社会構造の変化とともにその時代に求められるニーズが盛り込まれ、変遷し現場に反映されてきた。法的拘束力に関してみれば、学指導要領の歴史は以下の通りである。
①学習指導要領制定以前: カリキュラムや教科書の制定は生徒の興味から出発すべきで、国家が規定すべきではないと考えられていた。
②昭和22年の制定: 『学習指導要領 一般編(試案)』とあるように手引書のようなものであり、教育課程に関しても一定の基準は設けられていたが、現場の裁量に委ねられていた。この後何度も改訂が繰り返されることとなるが、中でも注目したいのは以下である。
③昭和33年の改訂: この改定により「試案」の文字が消え、「試案」から「告示」への転換がなされた。これにより学習指導要領は法的拘束力を持つと解釈されるようになった。
2.法的拘束力の有無
学習指導要領には各教科の単元の構成...