①「学校の自由化」との関連から学校選択制度とは何かを述べ、②推進論、反対論の根拠、および自らの考えを述べよ
①
従来、義務教育段階においては、児童・生徒は住む居住地によって通学する小学校と中学校が決められてきたが、これを保護者の希望により就学する学校を自由に選択できるようにする制度が学校選択制度である。この公立義務教育学校の学校選択制度の導入は、これまでの公立学校制度の性格を根本から変えるもので多くの問題を抱えている制度である。
この学校選択制度には学校の自由化の流れが関係している。近代学校制度がスタートしたときから、学校教育は重要な社会的営為であるという認識のもとにその制度化が進められ、改革されてきた。今日の学校教育の基本は国の法律のもとに行われ、勝手に学校を設置し、自由に学校教育を行うことはできない。その制度的理念を具体化させるために、国や地方公共団体はさまざまな規制や助成を行ってきている。
しかし、学校教育が拡大し、その制度が巨大化する一方で、学校をとりまく社会が急激に変化し、多様化し、国際化し、そのなかで社会システムの硬直化が指摘されるようになった。そして、その硬直化が過度...