今回『イギリス名詩選』のブレイクとワーズワスの詩の中で、一番印象に残ったのはワーズワスの「水仙(The Daffodils)」である。
ちょうど先日、我が家の庭にちょこんと咲いている水仙を摘み、部屋に花を活けた所だったのだ。よって季節は今冬であり、私の中で水仙は寒さで凍える冬に、少しだけ春の訪れを予感させる可愛らしく咲いている花というイメージだった。
しかしワーズワスのこの「水仙(The Daffodils)」では私のイメージする水仙とはちょっと違う存在として扱われている。私のイメージの中では水仙は冬の花であり、春の季節、湖のほとりに咲く花として思い浮かぶのは、色とりどりのチューリップだろう。まして春に果てしなく一面に咲く花として思い浮かぶとすれば、私のイメージでは水仙ではなく菜の花ではないかと思う。
実際日本とイギリスとでは緯度も違うし、ましてこの詩が書かれたのは19世紀であることからも、イメージに違いがあるのは当然だろう。しかし今回この詩をきっかけに、私は改めて水仙という花をじっと観察してみることにした。
ワーズワスは水仙が「continuous as the sta...