室町文化論(茶・花・香の史的展開と担い手)

閲覧数1,323
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    茶・花・香は現代でも日本の伝統芸として、親しまれているものであるが、それらは中世に成立したものと言われている。

     それぞれ誰が中心となり、展開を見せたのか述べてみたい。

     まず茶道であるが、奈良時代に中国に渡った遣唐使や僧侶たちが、薬として茶を持ち帰ったのが始まりと言われている。平安時代には上流階級に茶を飲むという習慣が定着した。

     その後、栄西(一一四一~一二一五)が中国から茶の種を持ち帰り日本各地で栽培したことより、更に広い範囲で茶を飲むという習慣が広まった。栄西は禅僧であった為、客を招いて抹茶を点てて楽しむという「茶の湯」のスタイルを禅の精神を持って説いた。

     室町時代に入り芸術文化としての茶の湯が始まり「侘び茶」の祖と言われる村田珠光(一四二三~一五〇二)がこの基礎を築いた。後、武野紹鴎(一五〇二~一五五五)からかの有名な千利休(一五二二~一五九一)へと受け継がれ、利休は「侘び茶」を大成させてゆく。

     東山文化に流行した「書院茶」は唐物重視のスタイルであったが「侘び茶」はこれに対し、和物の道具を扱ったものが主となり、禅の精神の基づいた簡素で静寂の境地を重んじたものであ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。