『(1)子どもたちが生活している「地域の自然」を教材化する必要性を2つの観点から解説せよ。
(2)そのうち1つの観点から、あなたの居住している地域の自然を教材化した事例(授業の展開例)を示せ。』
1.はじめに
小学校学習指導要領の理科の目標に「自然に親しみ」「自然を愛する心を育てる」とあるように、自然を学ぶ理科教育は自然に触れて自然から学ばなければならない。子どもは、自然に働きかけ、自然からさまざまな情報を得ることで自然を認識し、その過程で人間として成長していくのである。しかしながら近年は、子どもたちと自然の間に人工物や機器など様々なものが入り込み、直接自然に触れる機会が奪われている。このような状況の中で理科教育は、子どもたちが肌で本物の自然に触れる機会を提供し、「自然に親しみ」「自然を愛する心」を持った子どもを育てていかなければならない。
2.「地域の自然」を教材化する必要性
日本はおおむね温帯に位置し、春夏秋冬のいわゆる四季が明瞭に現れる。しかしながら国土が南北に長い弧状の列島であるため、南北の気候は著しく異なる。また、日本海を隔てて大陸のはずれに位置しているために日本海側と太平洋...