学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい。
カウンセリングという言葉は20世紀中ごろに使われるようになり、広い意味では、人が日常生活を営む上で生じる悩みに対して相談や指導をするということであり、学術的な理論による裏づけがなく、相談を受ける個人の資質や経験に負うところが大であった。このような意味では、カウンセリングは専門的知識がなくても、その人に素質があり、人生経験が豊富であれば、誰にでもできると考えられることもある。しかしその後、近代に入り社会の構造が複雑化するにしたがい、人々の悩みも多岐にわたり、その相談内容も多様化し、一定の知識や技術が要求されるようになってきた。人生において誰もがもつ悩みに対するカウンセリングではなく、誰もがもつ可能性のある悩み、すなわち非社会的行動や反社会的行動、あるいはノイローゼによる悩みに対する狭義のカウンセリングが必要となってきたのだ。そして、ロジャーズにより、それまでの『カウンセラー中心療法』から、クライエントが自分で意思決定し問題解決がはかれる能力を養うようにする『クライエント中心療法』へと考え方を変えていった。
私たちの心は...