術後24時間の看護
手術直後の患者は、手術侵襲による身体の急激な変化と全身麻酔からの覚醒、手術室から病棟への移送や移動など、さまざまな要因により、極めて不安定な状態にある。
特に手術終了直後から24時間は、患者の苦痛が最も激しく、術後早期の合併症や異常が出現しやすい。そのため回復室、術後室、ICUなど通常とは異なる看護体制の下で、密な観察とケアを必要とする。
1)看護の流れとポイント
〈看護のポイント〉
①患者の生命の確保(気道確保と出血予防)
②患者の安全な移送と移動
③患者の苦痛(創痛)の緩和
④異常徴候・合併症の早期発見と対応
⑤回復促進のケア
⑥患者の精神面へのケア
⑦家族へのケア
2)「手術室からの引き継ぎ」内容と術後ケアへの連携
3)手術室から病床までの看護
(1)帰室前の部屋の準備
①術後患者一般に必要な物品
酸素マスク、酸素流量計、点滴台、血圧計、電気毛布、体位変換用小枕など
②術式・手術侵襲に応じた物品
人工呼吸器、持続吸引器、気管吸引セット、動脈圧加圧バッグ
③患者の個別性に応じた物品
エアマット、ムートン、低ベッド、足台、フットポンプなど
(2)手術室から病室へ
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