ロスト・ジェネレーションの作家について具体的に作品を取り上げて述べよ。
「ロスト・ジェネレーション」(Lost Generation)の作家たちとはどういう作家たちを指すのであろうか。戦争に参加し、その体験を身に背負い、アメリカに帰った後にふたたびヨーロッパにわたった当時(1920年代)の若い世代を「ロスト・ジェネレーション」という。そしてそういった世代の人物たちを扱った作家が、「ロスト・ジェネレーション」の作家なのである。スコット・フィッツジェラルド、ドス・パソス、ウィリアム・フォークナー、そしてアーネスト・ヘミングウェイが「ロスト・ジェネレーション」の代表的な作家であると言われている。
「失われた世代」ということばは、ガートルード・スタインによってアメリカ文学史の中に定着した。スタインがその言葉をどのようにして使ったかというと、ヘミングウェイの作品の中に詳しく描かれている。現在のアメリカ文学史の中で定着した意味とは必ずしも一致しないものではある。
まずはドス・パソスについて述べることにする。彼は第一次世界大戦中、入隊中に書き上げていた処女作『ある男の門出ー1917年』(One...