コロニアル・ポストコロニアル
はじめに
今回、Colonial encountersからChinua Achebeの“The Sacrificial Egg”、Peter Careyの“Do You Love Me?”、Patricia Graceの“The Hills”の3作品を比較してその違いについて論じたいと思う。
各作品について
Chinua Achebe“The Sacrificial Egg”
Achebeはナイジェリア出身の小説家で口承文学をモチーフとした作品が多い(※1)。“The Sacrificial Egg”も読んでいてどことなく神秘的な印象を受けた。本文では近代(ヨーロッパ文明)の視点から見たアフリカの(天然痘などの病に対する)伝統儀式をストーリを通して描いている。物語は主人公のジュリアスの視点から市場の様子や儀式の様子が描かれており、水面に映った三日月や不気味な暗闇などの神秘的な情景描写が多い。作品を読んで(個人的にだが)「不気味」と感じた。作品の後半で描かれている儀式は、どことなくアニミズムやシャーマニズムを思わせる。最終段落で、死んだジャネットと母が飾り付...