設 題 現代社会における社会福祉の目的を果たすべき役割またそのあり方について、対象である社会問題としての生活問題をふまえて述べよ。
⇒まず、社会福祉とは何であろうか。社会福祉を学ぶ私たちは、社会福祉という言葉を単に個人の「幸せ」な状態を意味するものとして捉えるのでは不十分である。もちろん、個々人の幸せな状態・生活の確保は必要不可欠である。しかし、全ての人に共通する一様の「幸せ」など存在するのだろうか。人により幸せと感じる内容は大きく異なり、極めて多様な幸せを提供する事をもって「福祉」とみなす事は、社会福祉を専門的に学ぶ事にはならない。単に個人の価値意識や主観的な判断に基づき議論されるものではなく、人がその社会で生活していく上で、最低限必要となる生活基盤、生活水準を普遍的かつ客観的に定めていく事が必要である。
次に、社会福祉を学問の対象として設定するには、その概念や範囲を規程する事が必要になる。概念規定の方法は、大きく分けると2つの分け方がある。それは「広義」と「狭義」の概念である。
広義の概念としては、「社会全体の幸福の為」に実践する行為・行動を社会福祉とみなす事、あるいは「社会...