設題 日本における戦後社会福祉の展開をまとめ、今日の社会福祉の課題について歴史的に明らかにしなさい。
⇒1945(昭和20)年8月の敗戦と共に戦時体制も終わり、米軍の占領下において新たな施策が開始された。戦後の混乱した社会情勢のもとにおいて、浮浪児対策は緊急課題であった。戦災で両親を失った孤児、引き揚げ孤児等が、物資の不足と、日常生活を何とか維持することで精一杯という世相のもとで、浮浪しては物乞い、金品を摂取するなどの不良行為を繰り返した。ほかに、母子、障害者、復員軍人等生活能力を失った人々の困窮も深刻で、占領軍(GHQ)は1946(昭和21)年2月、「社会救済に関する覚書」を発表し、基本原則を確認した。つまり、①無差別平等の原則②公私分離の原則③救済の国家責任④必要な救済は制限しない、というもので、政府はこうした原則のもと、旧生活保護法の制定に着手する。
やがて、浮浪児孤児対策が進んで1947(昭和22)年12月、児童福祉法の公布となり、児童委員や児童相談所の設置となった。次いで、主として戦争の結果、一挙に増えた戦傷病者を救済することを目的に、1949(昭和24)年12月、身体障害...