水泳の歴史
人が泳ぎ始めた時期については、資料が無くはっきりとは分かりませんが、有史以前から,人類は泳いでいたと考えられる。およそ9千年前の壁画に人が、泳いでいるところを示すものがあると言われ、古代ギリシャの時代には水泳が盛んだったことも、当時の絵画や彫刻から知られている。したがって,水泳の歴史は,そこまでさかのぼらなければならない。
食糧を得るためや身を守るために,そして,宗教的な儀礼としても水泳は行われ続けてきたのである。古代エジプト,インド,ギリシャ,アッシリアのそれぞれの神話を初め,日本の神話にも,水泳に関する記述がみられる。その頃の泳ぎは動物の模倣で、犬掻きや平泳ぎのようなものであったと思われる。
水泳が教育内容として歴史にはっきり現れるのは古代ギリシャにおいてである。古代スパルタでは,市民の子弟(7歳~20歳)たちは,戦士の教育の一環として水泳の厳しい訓練をうけていた。またアテネでも男子はパレストラ(体操練習所)で水泳を含む体育教科の訓練を受けた。ルネサンス期に入ると体育としてだけでなくレジャースポーツの一つとしてヨーロッパで盛んに楽しまれるようになった。ルネサンス期以後,...