第1回勉強会
~肩関節~
・肩甲上腕関節(Glenohumeral Joint:GH Joint)
肩甲上腕関節は上腕骨の大きな凸状の骨頭と凹状の浅い関節窩との間で形成される多軸性の典型的な球関節である。この関節は肩に広範囲な可動性を生み出すために、共に運動する肩甲骨と協力して機能する。解剖学肢位では関節窩の関節面は肩甲骨内側に対して、約5度の上方傾斜している。
また、関節窩が関節頭に比べて非常に小さいため(ゴルフボールが五円玉の上に乗っかっているようなイメージ)、関節窩の周縁は関節唇によって拡大されている。関節包はゆるくて広く、上方は肩甲頚および関節唇の外面から起こり、下方は上腕骨の解剖頚・大結節・小結節などにつく。その際、結節間溝の上では橋のようにこれをおおい、その下にできる空間は上腕骨頭を越えてくる上腕に二頭筋の腱を通している。関節包は烏口上腕靱帯と関節上腕靱帯の二つによって補強されている。
・肩甲上腕関節の静的安定性
通常、腕を垂らして立位をとったとき、上腕骨頭は関節窩に対して安定している。この静的安定性を制御しているメカニズムの一つに肩甲上腕関節におけるロッキングメ...