リスク評価・管理
●はじめに
リスク(risk)とは、望ましくない事象とその起こる確率を示す概念である。簡単に述べるならば、悪いことが起こる確率のことであり起こるか、起こらないかわからないものであるといえる。
例えば、いつ誰が交通事故死するか予測不能であるが、日本の交通事故による死亡者数は11,743人(平成15年)であるといたような数は年によって大きく変わることはない。日本の人口は127,619千人であるので、1人あたりの年間死亡率は9.3×10-3となり、この死亡率で生涯すごしたと仮定すると生涯死亡率(生涯死亡リスク)は7.3×10-3すなわち1,000人のうち7.6人が交通事故で死亡するものと推定できる。このような不確実さを内在した事象であってもリスク研究を進め、得られた知見に基づいてリスクを評価し予防的見地からリスク低減に向けて対策をとることが重要であるといえる。
では、リハビリテーションスタッフが日々の治療場面においてどのようなことに注意していかなければならないかを考えていきたい。
●リハビリテーションに潜む4つのリスク
医療でも福祉でも、その実施には必ずリスクが内在している...