~膝立ち位とは~
膝立ち位といわれる姿勢で、膝関節を90°屈曲して、上半身を直立し、上肢は体幹側につける。支持基底面は両下腿で形成されるが、重心の位置は高く、重心線の落ちる位置が支持基底面の前縁に近いために不安定で、この姿勢を長時間保持することは困難である。
膝立ち位を基本にして派生する姿勢には以下の4通りがある。
・kneel sitting(正座に当たる姿勢)
・side sitting(横座り姿勢)
・half kneeling(片膝立ち位)
・prone kneeling(四つばい位)
Ⅰ.運動学的分析
膝立ち位では、大腿直筋は股関節そして膝関節の2ヶ所で伸張される。筋の停止部は体重支持面に対して固定されるので、筋の起始部が骨盤を前方に引くように作用する。しかし、このままでは前方に倒れてしまうので、特徴的なふたつの方法を用いて重心の後方移動を行い、安定化を図っている。一つ目として、腰椎の前弯を増大させ、上部体幹を後方に移動させる方法である。二つ目として、腰椎の前弯を減少させることで、殿部を後方移動させる方法である。
膝立ち位において、体幹の抗重力伸展活動・抗重力屈曲活動が...