旧司法試験民法の答案です。第1次作成版。参考までに。
平成12年度第2問
小問1について
YZの協議離婚(763条)は、YがXに対し売却した甲不動産の引渡しを拒絶することを目的として行われた仮装離婚であるとも考えられる。このような場合にも協議離婚は有効に成立するか。協議離婚の成立要件が問題となる。
協議離婚が成立するためには、その届出が必要である(764条、739条1項)。また、離婚は、当事者の意思に基づく身分行為であるので、離婚意思のあることも必要である。
そして、離婚意思とは、離婚の届出をする意思と考える。なぜなら、離婚意思を実質的に婚姻関係を解消する意思であると考えると、身分関係の公示を尽くすことができず、第三者を害するおそれがあるからである。
したがって、仮想離婚をする意思であっても、その届出をする意思がある以上、離婚意思があるといえる。
本件では、YZは、それぞれの意思に基づき協議離婚届を提出したものと認められる。したがって、協議離婚の成立要件である、その届出と離婚意思があるといえる。
よって、YZの協議離婚は、有効に成立する(763条)。
小問2について
Yは、Xに甲不動産を売却したにもかかわらず、Zに対し、甲不動...