1、教員養成の歴史について論述せよ。
2、教職の専門性について論述せよ。
(1) 教員養成の歴史は、近代化政策による明治5年の学制頒布にはじまる。同年には、国の制度で教員養成を行う師範学校が東京に設立された。その翌年の明治6年5月制定の「小学校教師心得」では教育することは子どもに模範を示すこと同義に扱われ、これは師範教育の理念となり方向づけられていくこととなる。
明治14年に示された「小学校教員心得」では知識や才芸の教育に傾倒していた従来の教育から儒教的な道徳教育に急展開をはかろうとする姿勢が示された。これは教学聖旨にしめされた国民教育のあるべき姿に影響を受けたものである。これは欧化政策を反省し、教育政策においても転換を図るべきだという考えからで出た方針である。
明治19年4月10日に「師範学校令」が公布され、師範教育制度は本格的意味での整備第一歩を踏み出すことになった。当時の文部大臣森有礼がこの規定作成に大きく関わっている。森有礼は近代国家日本の教育は国家の形成主体である国民ではなく天皇に忠誠を尽くす臣民を育てることであると考えていた。そのためにまず然るべき気質を持った教師を造らねばならない、その気質とは「順良・信愛・威重」の三気質である。「順良」...