中小企業金融とは、いうまでもなく中小企業に対する金融である。中小企業は、株式や社債の形で資本市場で資金を調達することはほとんど難しく、必要な資金は金融機関借入に頼ることが通常である。ところが、中小企業への融資は、経営上の特質から、大企業に対する融資よりも不利な立場に置かれているのが実情である。ここでは中小企業における金融問題の基本点とその解決・緩和の政策を述べる。
金融の緩和期になると、中小企業への融資は都市銀行をはじめ、各金融機関ともに積極的に行うが、ひとたび金融の逼迫期に入ると都市銀行は中小企業の貸出枠を減少させ、小口貸出しを切捨てて時系列企業への融資集中に専念するのが常である。
その他の金融企業の行動をみても、窓口規制が都市銀行に対して厳しくなると、都銀はコールを取り入れて資金不足をおぎなう。コール・レートが上昇すると出し手の各金融機関は、コール収益を獲得しようとして中小企業への融資を削減し、容易なコールの運用益をねらう行動をとった。中小企業に対する金融は緩和期になると、専門金融機関存立の是非が問題となるが、逼迫期になると中小企業はたえず金融の谷間におかれ、金融機関の調節弁のよう...