精神保健福祉援助技術各論
まず精神保健福祉士は医療と福祉の領域にまたがる資格者であることを確認しておきたい。例えば社会福祉士は福祉領域を専門的に受け持っている。しかし精神保健福祉士は福祉のみならず保健・医療に関する知識も併せ持ち、クライエントをその両面からサポートすることを職務とする。また精神保健福祉士法においても他の医療職とは大きく違い、医師から「指示」を受けるのではなく「指導」を受けるものと規定されている。これは、その職務の裁量権を認めているものである。
つまり、精神保健福祉士がクライエントに対し「医学モデル」と「生活モデル」の両面からアプローチしサポートすることができることを意味している。「医学モデル」はクライエントを個人として見る前に「患者」という把握をし「患部」に対し治療というアプローチを行う。この場合、自己決定より治療が優先されるために、一部分クライエントの決定権が認められない場合がある。
精神保健福祉法には「措置入院」や「医療保護入院」という入院形態がある。これは、治療上のクライエント保護の立場から、本人の意思に反して強制的な入院加療を行うものである。法的には「精神保健指定医」という資格者が行...