考察
訴訟件数は各誌間には大差がなかった。三誌に共通しているのは訴訟が90年代後半から急増し、賠償金が資料の初めと終わりで2倍近く開いていることである。ただし新潮社には休刊中だが週刊フォーカス、講談社にはフライデーがあり、それらの訴訟の処理も考慮すると、総額はさらに高いものになる。また、資料こそ十分にはないが、昨年3月にも東京地裁が、週刊現代の八百長疑惑の記事に対し日本相撲協会と力士30人が講談社を名誉棄損で訴えていた件について、講談社に史上最高額の4290万円の支払いが命じられており、現在も賠償金は増加の一途を辿っているのは明らかである。
≪総合週刊誌と訴訟≫
今回、週刊誌の訴訟について比較してみた。比較対象は‘94年から‘06年までの週刊新潮(新潮社)、週刊文春(文芸春秋社)、週刊現代(講談社)である。以下に各誌の訴訟の詳細をまとめた。
なお訴訟の原告について明らかでない件もある。
判決
年月
原告
記事の内容
賠償額
(請求額)
週刊新潮
94・9
鐘紡
粉飾決算報道
500
00・12
―
「サンディエゴ大学教授殺害事件」
330
01・5
―
「創価学会に東村山市女性市議殺害疑惑」
300
01・7
―
薬害エイズ事件阿部英被告を殺害被疑者とする報道
300
02・2
―
「亀井静香議員の許永中事件疑惑」
500
02・10
―
「日本大学法学部長解任騒動」
200
02・12
―
「医療法人の交通事故は保険金疑惑」
990
03・3
愛人とされた女性
「菅直人民主党代表の愛人がテレビ局社員と極秘結婚」
150
03・5
仮名の男性
「ルーシー・ブラックマンさん事件疑惑の資産家」
150
03・5
―
「薬害エイズ『ミ...