社会環境と発達病理について述べよ
はじめに発達障害について述べる。発達障害とは、精神遅滞、脳性まひといった神経学的異常に起因する障害である。これは子どもの時期に発生し、その後も継続することが予想され、生活する上で重大なハンディキャップとなる。先天的な障害と環境によってもたらされることとは別なものである。発達障害といわれるものの多くは神経学的、つまり先天的な原因によるものであるが、これらを見分けるのは困難である。先天的な障害の例を挙げると、「自閉性障害」や「学習障害」がこれにあたる。
「自閉性障害」とは、対人相互交渉(他人とのやりとり)、対人意思伝達に用いられる言語(話し言葉)、象徴的または思想的遊びの3領域における機能の障害がある。それが3歳以前に始まっている障害である。また、「学習障害」とは、基本的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書くなどの学習の基礎となる能力のどこかに、その習得や活用面での困難をまねきやすい障害である。
次に、現代の社会環境に原因があると考えられる発達病理について述べる。
現代における社会環境は、豊かであることが挙げられる。ここでいう豊かとは...