乳幼児期から老年期に至る発達の特徴について述べよ
これまで人間の発達は、青年期にピークを迎え、その後は老年期に至るまで下降の一途をたどると考えられていた。そのため、幼児期から児童期、青年期までの研究は盛んであったが、それ以降の期間はあまり研究対象とされていなかった。
しかし現在、最も広く考えられているのは、人間の生涯を誕生から死亡までの各段階に区分し、心理学的に分析する方法である。この方法では出生から1歳未満を「乳児期」、1歳以上6歳未満を「幼児期」、6歳以上12歳未満を「児童期」、そして「青年期」「成人期」「中年期」「老年期」というように分けて研究されている。
本レポートは人間の生涯の各段階の「乳児期」から「老年期」における特徴を述べる。
①乳児期
ピアジェは、子どもは、生まれた瞬間から知的発達が始まると考えた。乳児期の子どもは、五感に直接訴えることしか認識せず、何かを考えるという行動がみられない。生まれたばかりの乳児は、幾つかの本能行動を持っている。これを一般に原始反射といい、モロー反射や把握反射といったものがある。これは、自己防衛に必要な行動で、原始時代から引き継が...