≪『座頭市血笑旅』のヒーロー像から見た『座頭市』シリーズにおける位置づけ≫
諸論
本講義において『座頭市』シリーズについて学んだことをまとめると次のようになる。
①リアリズムを追求した作風
②フルショット・ロングショットが効果的に用いられる
③大映独自の演出によって市の日陰の身分が表現される
④市の剣は正当化されるものとして描かれていない
⑤回を追うごとにヒーロー化する市
これらの特徴に照らしてシリーズ中の『座頭市血笑旅』(1964)の位置を考えていきたい。殺意に満ちた他の作品と違い、本作は市と子の触れ合いと別れが主軸にある。人情味を全面に押し出した作風のため「あざとい」(1)と評価される一方で、「新鮮味がある」(2)という意見もあり評価が二つに分かれる。数々のレヴューを見ていてこの点に面白さを感じ、本作品は座頭市シリーズの特色からどのように外れているのか、そしてその他の作品から外れている部分はどう捉えるべきかを考えた。
≪『座頭市血笑旅』のヒーロー像から見た『座頭市』シリーズにおける位置づけ≫
諸論
本講義において『座頭市』シリーズについて学んだことをまとめると次のようになる。
①リアリズムを追求した作風
②フルショット・ロングショットが効果的に用いられる
③大映独自の演出によって市の日陰の身分が表現される
④市の剣は正当化されるものとして描かれていない
⑤回を追うごとにヒーロー化する市
これらの特徴に照らしてシリーズ中の『座頭市血笑旅』(1964)の位置を考えていきたい。殺意に満ちた他の作品と違い、本作は市と子の触れ合いと別れが主軸にある。人情味を全面に押し出した作風のため「あざとい」(1)と評価される一方で、「新鮮味がある」(2)という意見もあり評価が二つに分かれる。数々のレヴューを見ていてこの点に面白さを感じ、本作品は座頭市シリーズの特色からどのように外れているのか、そしてその他の作品から外れている部分はどう捉えるべきかを考えた。以下の本論において冒頭にあげた特徴に順次照らし合わせながら論者、一般の鑑賞者のレヴューに基づいて考察し 、最後の結論でまとめたいと思う。
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