従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対して主体的な学習を基本とする授業についての設計と評価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授業設計ならびに評価についての留意点を述べよ。
新教育課程では、次の4つの学力をバランスよく育てることが大切であるとされる。
①基礎的な学力A(教科等の学力の基礎となるもの)
②基礎的な学力B(学習指導要領で明示されている目標と内容に基づく教科等の学力)
③発展的な学力(学習指導要領の目標・内容を超えた学習や複数教科間の関連付けをはかるような学習を通して育成される学力)
④実践的な学力(教科等で培った学力をふまえながら教科の枠を超えて、現実の社会課題や自らの生き方に関わる課題を発見し解決しようとする際に身につく学力)
さらに、これらは①②が知識伝達を重視した「課題習得型学習」(以下、前者)に、③④が主体的な学習を基本とした「課題発見型学習」(以下、後者)に分けることができ、それぞれ異なった特徴を持っている。ポイントごとに比較を述べていきたい。
(1)授業のねらい
前者は、基礎・基本となる知識や技能の習得である。知識伝達を重視した授業を行う場合には...