東アジア共同体を形成するにあたって、まず経済面・政治面においても主導的役割を担うのは、まちがいなくASEAN+3の+3とされる、日本、中国、韓国であるだろう。今回はこの3カ国それぞれにおける問題を個別に見ていき、東アジアにおける政治共同体の可能性を論じてみたい。
ECからEUへと、ヨーロッパにおける共同体は経済的共同体から、ついには統一通貨を発行し、統一法を協議するまでに至った政治共同体へと長年の歳月を費やして今日に至る。NAFTAもまた、北米参3カ国間の自由貿易のための連帯であって、地域統合のプロセスは、まず最初に経済的連帯からスタートするのが基本である。東アジアにおいては、東南アジア主要国で構成されるASEANに、日本・中国・韓国の3カ国を足したASEAN+3間の間で、個別にFTA交渉が展開されている。よく言われることだが、ASEAN+3として、ひとつの経済共同体を形成・自由貿易圏が存在しているというよりも、ASEANと日本、ASEANと中国、ASEANと韓国といったASEANに三本柱が独立して、くっついていると言ったところだろうか。しかし、広く東アジアと呼ばれる地域において、多国間で経済の取り決めが成され、今後も活発に進展する兆しが見えることは、近い将来にASEANと独立した三本柱というよりも、ECに類似した東アジア経済共同体が誕生することを予感させるものである。
東アジア共同体について
東アジア共同体を形成するにあたって、まず経済面・政治面においても主導的役割を担うのは、まちがいなくASEAN+3の+3とされる、日本、中国、韓国であるだろう。今回はこの3カ国それぞれにおける問題を個別に見ていき、東アジアにおける政治共同体の可能性を論じてみたい。
ECからEUへと、ヨーロッパにおける共同体は経済的共同体から、ついには統一通貨を発行し、統一法を協議するまでに至った政治共同体へと長年の歳月を費やして今日に至る。NAFTAもまた、北米参3カ国間の自由貿易のための連帯であって、地域統合のプロセスは、まず最初に経済的連帯からスタートするのが基本である。東アジアにおいては、東南アジア主要国で構成されるASEANに、日本・中国・韓国の3カ国を足したASEAN+3間の間で、個別にFTA交渉が展開されている。よく言われることだが、ASEAN+3として、ひとつの経済共同体を形成・自由貿易圏が存在しているというよりも、ASEANと日本、ASEANと中国、ASEANと韓国といったASEANに三本柱が独立して、くっついていると言ったところだろうか。しかし、広く東アジア...