新谷周平(千葉大学)「実証研究の成果は何を社会にもたらすのか?-システム間の連関の観察と「社会的なるもの」構築へのコミュニケーションの接続-」 をまとめる。
1.本研究の目的と枠組み
(1)若者研究・若者政策と研究目的
「用語の導入や研究の進展によって事態は改善されているのだろうか」
→ 研究が提供され、政治行政が政策を立てるという想定事態が社会の本当の困難を覆い隠してしまっているのでは。
要因①:グローバルな生産性の増大
要因②:「社会的なるもの」の不在
要因③:①②が機能分化した諸システムの自己創出では解決されえない位置にある
→(本発表では)政治・行政・マスメディア等、諸システム間の連関の観察から研究の置かれた構造を捉え、その観察および「社会的なるもの」の構築のためのコミュニケーションの接続を、研究の課題として、理論的かつ当為論的に示す。
(2)枠組みとしてのシステム論
ニコラス・ルーマンの社会システム論の枠組み:社会システム論の特徴と有効性
①個人や集団、社会の諸機能を、それぞれシステムと捉え、諸システムがそれぞれ自己準拠に基づいてその外部(環境)の情報を取捨選択しながら、たえ...