序論
心理学における学習とは動物や人間が経験によって永続的に行動を変化させることを指す。動物の学習の実験的研究はThorndike(1898)の問題箱研究から始まり、今日まで盛んに行われているが、現在学習の仕組みについて、大きく2つの方法に分類する考え方がある。その1つは古典的条件付け(パヴロフ型条件付けとも呼ばれる)であり、元来ある反応行動と無関係な中立刺激が、無条件刺激と繰り返し組み合わされる結果、その反応行動を誘発するようになるというものである。そしてもう1つがオペラント条件付け(道具型条件付けとも呼ばれる)である。これは内発的な反応に随伴する報酬的刺激(強化子と呼ぶ)が結び付けられる(連合される)事により、その反応の相対発生頻度が増加するというものである。例えば動物を箱内に閉じ込め、レバーを設置し、レバーを押すごとに餌などの強化子を与えるとレバー押し行動が強化されるというものがあげられる。Skinner(1938)の考案した”スキナー箱”は、動物のレバー押しに対応して実験者が餌皿に強化子を出すことのできるようにした装置である。本実験では、スキナー箱を用いたオペラント条件付けによってラットがレバー押しを学習するかを検証した。
また、学習の要素として重要なものに、連続強化と部分強化、消去、シェーピング(反応形成ともいう)という課程が挙げられる。連続強化とはある行動に対し100%の確率で報酬的刺激が提示されることで、それに対し部分強化ではある一定の確率でしか報酬的刺激が提示されない強化で、この場合でも学習効果があり、むしろ連続強化よりもより強い強化効力を持つ。消去とは、一旦学習した行動を行っても報酬的刺激の提示を行わないでいると、増加した発生頻度が減少するというものである。またシェーピングとは、動物に学習させたい行動が日常的にあまり自発頻度の高くない場合に用いられる課程で、目標行動よりは日常的に行われると考えられる、かつ目標とする行動を仲立ちするような行動に対して強化を行い、次にもっと目標行動に近い行動の強化を行う、というように、段階的に目標行動の学習を試みる課程である。
スキナー箱を用いた
ラットのレバー押し学習
心理学専修課程 学生証番号XXXXXX
XXXX
XXXX年XX月X日提出
序論
心理学における学習とは動物や人間が経験によって永続的に行動を変化させることを指す。動物の学習の実験的研究はThorndike(1898)の問題箱研究から始まり、今日まで盛んに行われているが、現在学習の仕組みについて、大きく2つの方法に分類する考え方がある。その1つは古典的条件付け(パヴロフ型条件付けとも呼ばれる)であり、元来ある反応行動と無関係な中立刺激が、無条件刺激と繰り返し組み合わされる結果、その反応行動を誘発するようになるというものである。そしてもう1つがオペラント条件付け(道具型条件付けとも呼ばれる)である。これは内発的な反応に随伴する報酬的刺激(強化子と呼ぶ)が結び付けられる(連合される)事により、その反応の相対発生頻度が増加するというものである。例えば動物を箱内に閉じ込め、レバーを設置し、レバーを押すごとに餌などの強化子を与えるとレバー押し行動が強化されるというものがあげられる。Skinner(1938)の考案した”スキナー箱”は、動物のレバー押し...